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フライトジャケット、G-1


1930年代に米海軍に採用されたM-422フライトジャケットは、やがてG-1(ジーワン)と名称を変え、70年もの時を経た今でもなお米海軍で支給され続けている(飛行時には着ないそうですが)生きた化石のようなフライトジャケット(飛行服)です。

過去記事では、極めて初期に生産されたG-1の前身(前々身)M-422Aを紹介しておりますが、これは1980年代に生産されたブリル・ブラザース社製の現行品です。

1980年代で現行品?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、G-1の長い長い歴史からすると、80年代など昨日作られたも同然・・というのは言いすぎですが、官給品であるG-1は、MILスペックという規格に基づいて生産されており、その規格が現在と同じもの(多分)であるため、もう20年近く前の製品ではありますが、現行品扱いとなってしまうわけなのです。

このあたりの、仕様の違いは当ブログのお客様である悟空さんが大変詳しいので、コメント願うとして、今回は、”ただの革ジャン”としてとらえたときの、官給品G-1の魅力について語りたいと思います。

G-1に限らず、この手の衣料品は、古ければ古いほど上質な素材を使っていることが多いものです。
以前紹介したM-422Aの贅沢極まりない(今の目で見ると)素材・作りは、現在では完全には再現できないでしょう。それだけに着心地も卓絶しているのですが、痛みやすさもズバ抜けています。

ましてや、70年近い時を刻んでいるジャケットですから、日常着としてガンガン着ることには到底耐えられません。やはり、今を生きる我々には、今作られたG-1が必要なのです。

画像のG-1は1989年に購入したものですので、かれこれ16年を経過しておりますが、ようやく味が出てきたかなという程度で、ダメージと呼べるヤレは一切ありません。ボアが少し丸まっていますが、毛抜けはなく、人工素材(アクリル)の驚異的な耐久性のたまものです。

裏地はナイロン。かつてのような美しいワインレッドではなく、軍隊っぽいオリーブドラブですが、学生時代はこのジャンパーを着たままザコ寝を繰り返してきた(つまり、24時間着続けていた)にも関わらず、最も擦れやすい脇部分をはじめ、全く擦過によるダメージがありません。

本体は牛革(カウハイド)で、ゴートスキン風の型押しを施してあります。ゴート特有のしなやかさ、柔らかさには欠けますが、頑丈なことはこの上ありません。少し重いのですが・・。

リブはウールではなく、アクリルです。虫食いの心配もなく、いまだにほとんどノーダメージです。リブの緩み、広がりもありません。

・・・と、ここまで書いてしまうと、「丈夫なのは分かるけど、素材が100%変わってしまって、もう別のジャケットなんじゃないの!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、このジャケットが、70年の長きにわたるG-1の歴史を脈々と受け継いでいる、官給品であることは、着用時に鏡を見れば一目で明らかになります。

それは、狭い機内での飛行服として設計されたG-1(というかM-422)の最大の特徴である、タイトなシルエットです。

市販のG-1風ジャンパーが、身頃をゆったりと仕上げて、快適な街着として設計しているのに対し、G-1はあくまでも軍服・飛行服らしい、細身でキビキビとしたシルエット。特に袖まわりのタイトさは、袖を通した非マニアの方が驚く最大の相違点です。

「動きにくそう・・」と思われるかもしれませんが、大きなアクションプリーツが肩に取られており、しかもライニングの内側に3本のゴムが内臓してあり、両肩のアクションプリーツと連動しているのです。

つまり、腕の動きに応じて、背中のゴムがアクションプリーツを広げ、自然な姿勢に戻れば自動的にアクションプリーツを閉じてくれるというわけで、これはG-1を着た者にしか分からない、えもいわれぬ気持ちよさです。

また、G-1は、実はバックシャンで、後ろから見たときの肩のラインが非常に男っぽく、この雰囲気は、軍用ならではなのでしょうか、精巧なレプリカを除き、街着のG-1風革ジャンでこのストイックな雰囲気を出すことに成功した製品はまだ見たことがありません。

あまりに官給品オーラが強いため、ミリタリーっぽくない、普通の革ジャンとしての着こなしは難しいかもしれません。私も年々着る機会が少なくなっています。ついでに、似合わなくなってきているかも・・。体型は変わっていないのに。

最後に、価格なのですが、当時は55,000円くらいでした。そして、現在でも恐らく6万円台で入手可能かと思います。画像では色気も素気もない、ただの革製ドカジャンに見えるかもしれませんが、着るとカッコ良く見えるタイプの服です。最近では着ている人も、めっきり見なくなりましたが、永遠の定番品であるのは間違いありません。

味が出るのに何十年もかかりそうですので、20年、30年、体型が変わらない自信のある方にお勧めします。ブリルブロス社製のG-1、いいですよ~。

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コメント

コメント(2)
No title
ほんとですね、画像が無い!…ま、それはさておいて、G-1の説明、完璧すぎて僕の出る幕はございませんですよ(苦笑)ブリルブロスは『トップガン』人気でブームだった頃、G-1風ジャンパーだ大量に出回った中で、コレが本物!と人気を博したジャケットなんですね。ブリルブロスは最近でもミリタリーショップにいけばチラホラ見かけますが、僕のオススメはクーパー社製のです。素材もゴートなのでカウよりは軽い!小泉さんがブッシュにプレゼントされたヤツです。

悟空

2005/09/14 01:36 URL 編集返信
No title
悟空さん、そんな、ご謙遜を・・。80年代にG-1が再支給されたとき、古参のブリルと新参のオーチャードが採用され、後にクーパーがいつの間にか加わっていた記憶があります。ゴートなのはクーパーだけでしたっけ。A-2が復活したときも、当初オーチャードのヘンテコなハンドウォーマー付きが採用される・・と言われながら、いつの間にかクーパーが支給されていましたね。(その後の展開は知らないのですが)

カッタウェイ

2005/09/14 07:21 URL 編集返信
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