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紳士服の消費者にこそ体験して欲しい「半・分解展」開催中です

一昨年の秋、京都→名古屋→東京へと場所を移しつつ開催された「半・分解展」。
パワーアップして名古屋へ再びやってきてくれました。
そもそも、「半・分解展」とは、主催者の長谷川様のサイトによれば

「フランス革命から第二次世界大戦の衣服を半分-分解し「標本」にする」

という企画です。
前回より展示されている洋服は減っているようですが、その代わりに、それぞれの古着(18世紀~WW1以前のもの)からパターンを抜いた試着用のサンプル服が各5サイズも用意されています。
つまり、展示されている古着をマイサイズで着ると、どんな着心地を味わえ、見た目がどうなるか、動くとどうなるか、を体感することができるのです。
これはものすごいサービスだと思います。見ても「ふ~ん」、聞いても「へ~え」としか伝わってこない情報が、実際にサンプル服を着てみると、問答無用容赦なく伝わってくるのです。
「こんな芯地も裏地もないサンプル服で分かるものなのかな」と、不思議に思いながら、現代のスーツ(長谷川様の仰る「静のスーツ」)サンプルを羽織ると、なるほど、自分の着ているジャケットによく似た着心地です。
次いで、第一次大戦前のラウンジスーツ(長谷川様の仰る「動のスーツ」)から抜いたパターンで作ったというサンプル服を着ると・・。
本当に驚きました。
着心地がいいとか悪いとか、動きやすいとか動きにくいとか、それは自分の知っている「着心地」を基準値にして、それに対する高低で良し悪しを判断しているに過ぎなかったのだと。
その時に着用したサンプルは、脇の下周辺が何やら少しスースーするものの、腕を伸ばしたり、かがんだりするのが非常に容易でありました。
つまり、「動きやすくて着心地もいい」はずの服だったのですが、あまりに未知の着心地だったため、正直なことを申しますと、着た瞬間に、脳内で「なんだこれ、気持ち悪い!」と叫んでしまったのです。
着心地が悪くて気持ちが悪くなったのではありません。あまりにも未知なる着心地と遭遇してしまったため、一瞬、体が拒否反応を示したのでありましょう。
長谷川様は、この「動のスーツ」「静のスーツ(現代のスーツ)」と、どのくらい違うか、ということについて「180度違います」と仰っていました。
サンプル服を着比べるという体験を終えた今では、理屈は分からずとも、他ならぬ私の体が、頭はそっちのけで「そーだそーだ」と賛同しています。すごいことですよね、これって。
そんなこんなで、展示会は試着大会の様相を呈して大盛況でした。
願わくば、この衝撃を、是非、紳士服を作ったり、販売したり、宣伝したりする方だけでなく、一般消費者として紳士服を毎日着用している(しなければならない)方々にも味わっていただきたいです。
毎日着ているスーツには、こんな歴史があり、こんな変遷を経て、現在に至っているのだと体感することで、スーツを着ることが少し楽しくなるかもしれません。
毎日スーツを着ている人が、もっとスーツを好きになれば、供給側も、もっとスーツを好きな人向けのスーツを同じ価格帯で作ろうとしてくるかもしれません。
さて、半・分解展は、明日が最終日のようでありまして、場所と時間は以下のとおりとなっております。どうぞお見逃しなく。
(長谷川様のサイトより引用)

愛知-名古屋 6.12 ~ 17 ギャラリー矢田

開場 10:00~19:00 最終日のみ 17:00 Close

入場料

一般 2,000 学生 1,500 再入場無料

(学生証、再入場券を必ずご提示ください)

中学生以下無料

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コメント

コメント(2)
No title
カッタウェイさんも半分解展、楽しまれたのが伝わってきます~!

気持ち悪いって思ってしまうの、わかります!!(苦笑)
私も思わず、え!!どうして?と言ってしまいました。
身幅が短いだなんて、とても思えない着心地でしたし。

でも、これが体感できたのは、自分にあったサイズを試着できたから、というのが大きいですよね。
そうやって考えるとあの5サイズ展開は面白すぎるな、と思うのです。

日常的にスーツを着られる方に、もっともっと、スーツは楽しいものって感じてもらえたらいいですよね。

cow*n*1

2018/06/18 07:34 URL 編集返信
No title
> あんぶろーしあ様
私は知らないうちにアイロンワークすごいぜ教の信者になっていたらしく、今回のレクチャーと試着ではショックを受けました。

本当は作り手も売り手も消費者も、服作りの知識を共有していれば本質的な部分でビジネスができるのに、消費者や売り手(の一部?)がそこまでの知識がない以上、分かりやすい切り口(流行とかディテールとか)で売り込むしかない、ということかも?

などということをぼんやり考えておりました。流行やセールストークに踊らされたくはないけれど、そのために服作りを1から学ぶわけにはいきません。消費者として押さえておくべき基礎知識だけでいいのできちんとした情報が欲しいです。

ムック本でも、高級ディテール集とかマーチャント一覧とか、そういう特集ばかりでなく、型紙とかトワルチェックごっこ用の付録でもつけて欲しいです。

カッタウェイ

2018/06/18 19:30 URL 編集返信
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