FC2ブログ

本格靴ブーム時代に売れた靴も、そろそろ20歳。

いわゆる本格(高級)靴ブームが巻き起こってから、早いもので20年が経過しようとしています。

まだ普及したばかりだったインターネット、特にBBSを通じた情報のやり取りが、ブームの盛り上がりに拍車をかけていたように思います。

だいぶ前に、その頃のことを振り返った記事を書いたことがあるのですが、それからさらに7年くらいが経過していて、時の流れの早さに驚嘆するばかりです。

今考えるのは、あの頃に売れまくったグッドイヤーの(あるいはハンドソーンウエルテッドの)革靴たちは、今頃、どんなコンディションで、どんな境遇にあるのだろう、ということです。

当時から、グッドイヤー製法の本格靴のことを、「手入れすれば、10年以上、20年くらいは履ける靴です」と評していたものですが、そろそろその20年が経過しようとしているので、当時のロブパリやグリーンやクロケットやベルルッティが、寿命を迎え始めても不思議ではありません。

メーカーやグレード、あるいは革の色や種類による寿命の差は存在したのでしょうか。販売時の美しさと、現在の美しさと、どのような変化が生じたのでしょうか。

それとも、ブームが沈静化するに伴い、箱に入れたまま履かなくなってしまった靴が溢れているのでしょうか。

20年間、同じ愛情を靴に注げる方はそんなに多くないような気がします。ただし、着用し続けることで靴が趣味のアイテムから生活必需品へと変化し、当時とは別の付き合い方をしている方は、きっと居られることでしょう。

かく言う私はといいますと、もう「靴を光らせよう」とか「早く手入れがしたい」などとはとっくに思わなくなっておりまして、ただただクラックによる靴の破損を恐れるがために、限界を感じては手入れをする、を繰り返しているのが実情であります。




【ポールセン・スコーン(クロケット製)、17年着用】

20191104_131153(1).jpg

屈曲部にクラックが出ています。購入時から磨きがいのないアッパーでしたが、何年経ってもそのあたりは変わりません。ただ、履き心地は購入時から良好で、損なわれていません。



【チャーチの125周年記念モデル、アルフレッド。7年着用】

20191104_131132(1).jpg

ドレッシーなデザインに無骨な木型と張りだしたコバで、いつ履けばいいのかよく分からない靴でしたが、ヘビーオンスのフランネルのスーツに合わせてよく履くようになりました。

アッパーはカール・フロイデンベルグだそうですが、ややクラックが入りやすいような気がしています。専用のツリーを入れていれば、また違ったのかもしれませんが・・。

もともと90年代末期に作られた靴を、デッドストックで購入したため、その影響もあるかもしれません。



【エドワード・グリーンのチェルシー(ファインブラックカーフ仕様)、19年着用】

20191104_130944(1).jpg

意外にも、クラック知らずなトップドロワー用のベビーカーフ。ただ、画像には写っておりませんが、履き口には亀裂が少々生じています。

202ラスト専用のツリーを使っているのもクラック防止に役立っているのかもしれません。



【ジョージ・クレバリー、18年着用】

20191104_131014(1).jpg

こちらもクラックは皆無です。木型同様、個別に削り出した専用ツリーの効果は大きいと思います。



以上、本日磨いた靴を、少し掲載してみました。

着用頻度や手入れ頻度が寿命に影響するのは間違いないと思いますが、それだけではなく、やはりクラックの入りやすい革とそうでない革があるような気がします。

何の根拠も提示できるデータもないのですが、この20年の経験として、漠然と私が感じているのは、次のようなことです。

1)分厚い革は薄い革より頑丈そうに見えるが、だからといってクラックが入りにくいわけでは全くない。

→薄い革は裂けやすいものの、クラックが入りやすいのはむしろ厚い革のほうであるように思います。分厚い革は、屈曲時と平時の差が厚みがある分大きくなるので、銀面にかかる負担が大きいせいではないか、という気がします。

2)ガラス加工はもちろん、そこまでいかなくとも、革の表面に光沢を出すための加工が施されている(ように見える)革は、クラックが入りやすい気がする。

→チャーチのブックバインダーもそうですし、125周年のボックスカーフも、あるいはそうではないかと思うのですが、購入時に(磨いていないのに)強い光沢がある靴は、クラックが入りやすいような気がします。

表面加工のせいでクリームが浸透せず手入れが行き届かないせいか、加工された表面が割れやすいせいかは、よく分かりません。

3)アッパーだけでなく、ライニングの質や厚さも、クラックの入りやすさに一定の影響を与えるのではないか。

グリーンのチェルシーやクレバリーを見ていると、そんな気がするのです。どんな皺がアッパーに刻まれ、どう復元されるかは、アッパーだけでなく、一体となっているライニングあってのことですから当然なのかもしれません。



番外)濡らしてはならない(できるだけ)


手入れさえしっかりすれば、雨など恐れるに足らない、という勇猛な意見も目にしましたが、濡れた状態や半渇き状態で屈曲を繰り返すことは大きなダメージになりそうですし、濡れた靴を乾かしたまま、屈曲させたり、曲がった靴の皺を伸ばしたりするのには、大車輪ロケットパンチ並みのダメージを伴います。

しっかり油分を補給してからなら良いのでしょうが、濡らさないに越したことはありません。
スポンサーサイト



コメント

コメント(6)
たしかに、ガラスのリーガルもクラックが…。だましだまし履くしかないんですかね

tei-g

2019/11/04 22:07 URL 編集返信
カッタウェイ・カラー
To tei-gさん
tei-gさんのリーガルにもクラックが。ガラス加工の場合、もう一度表面を「再ガラス加工」できればいいのに、と妄想してしまいます。革そのものが深く割れてしまったらどうしようもないでしょうけれど・・。

-

2019/11/04 22:22 URL 編集返信
はじめまして

はじめまして。
初めてコメントさせていただきます。
(私も細々とblogやってます…。)

ぼくも、主にオールデンなのですが、2000年代に履き始めた靴たちは、約10年でクラックが入り始めました…。

まめにクリームとオイルを補給してましたが、ポールジョイント付近から皆入りましたね。
そして、勘違いかもしれませんが、そのあと水洗いしましたが(笑)、もう一足にも入りました…。個人的には、週一度履いてるといずれ、使用期限が訪れるのかな。あと、高級靴は、数キロ歩いたりのハードワーク向けではなく、タクシーで移動するエグゼクティブ向けなのかなと、思ったりしました次第です。

ではでは、失礼します。

しんのすけ

2019/11/09 09:32 URL 編集返信
カッタウェイ・カラー
To しんのすけさん
しんのすけ様

コメントありがとうございます。オールデンにクラックが・・ショックですね。銀付き革の宿命として受け入れるしかないのでしょうか。

捨てるに忍びないですし、困りますよね。私はブリフト・アッシュさんでチャールズパッチを貼ってもらおうか(ゴルフに)と考えたりしています。

しんのすけ様のブログ、拝見しました。靴や服の愛情が感じられる記事ばかりで楽しめました。今後ともよろしくお願いします。

カッタウェイ

2019/11/09 21:05 URL 編集返信
こちらこそ、よろしくお願いいたします
カッタウェイさん

こちらこそ、よろしくお願いいたします。カッタウェイさんのブログ、投稿がすごく多いので、全体像がつかめないのですが、2005年にオニツカに注目されたのは、すごいですね‼️

実は、私も高校のとき(80年代中頃)バスケ部だったので、入部して買ったのがアシックスのキャンバス地でした。
ただ、静岡の土田舎でも、当時ジョーダン1がすごい人気だったので、すぐにナイキに乗り替えましたが(笑)。
アシックスを履いていた人って、バスケが上手くて機能性重視だった記憶があるんですが、カッタウェイさんもお上手だったのでは? ちなみに、私は身長が188なので、『SLAM DUNK』のゴリの役です(笑)。ではでは、失礼します。

しんのすけ

2019/11/10 20:11 URL 編集返信
カッタウェイ・カラー
To しんのすけさん
しんのすけ様

14年以上もだらだら続けていたら、記事数は千を超えてしまい、本人も全体像を把握しきれていない有様です。

80年代半ばのAJ1は、私にはもの凄い異端モデルに見えましたが、ちゃんと人気を得ていたのですね。私もこの時代、ナイキに傾倒してエアイーグルを買いました。とっておけばよかったと何度後悔したか分かりません。

バスケは謙遜抜きで、下手くそでした。左ドリブルからのレイアップができなくて落ち込んだのを思い出します。アシックスもナイキもプーマも38年くらい前からずっと好きなのですが、アシックス(とオニツカ)だけ、ビンテージスニーカーブームで注目されず忘れ去られそうだったので、「こんなに魅力的なモデルがあるんです」というのを紹介したかった、という思いがあります。集めながら紹介しているうちに、アシックスばかり増えてしまいましたけれど。

カッタウェイ

2019/11/10 22:11 URL 編集返信
コメント投稿
非公開コメント

カテゴリ

検索フォーム

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

月別アーカイブ

ジャンルランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
239位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
服飾
3位
サブジャンルランキングを見る>>