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洋服のクリーニングあれこれ

洋服をクリーニングに出すことは、少し大袈裟に言えば、ギャンブルのようなものです。

価格が多少高い店を選んでも、ボタンを砕かない、ラペルをつぶさない、布地をテカテカにしないことを保障するものではありません。作業場と受付が別の場所にある場合、出した洋服が無事に戻ってくるという保障すらありません。

幸いにも、現在の住みかには、徒歩7秒のところに夫婦で経営している信頼できるクリーニング屋さんがあるので、現在ではこうしたトラブルはなくなりました。ここは受付の真後ろで作業をしており、ガラス越しに作業が見えるので、出した洋服がなくなることは、まずなさそうです。

受け付けた主人が、そのまま作業にあたるので、「ボタンが割れやすい」といった注意事項が担当者に伝わらない心配もありませんし、ラペルも、何も言わなくても、ふんわりと仕上げてくれます。

ところで、クリーニングに出した洋服は、本当に綺麗になって戻ってくるのでしょうか。ドライクリーニングの場合、油の汚れはよく落ちるそうなのですが、水溶性の汚れ(特に汗、尿)はほとんど落ちないそうなのです。

そもそも、スーツを初めとするウール製品をクリーニングに出すこと自体、賛否両論なのだそうですが(ウールの油分が抜けてパサパサになってしまうという意見を聞く)、食べこぼし等、特に目立った汚れがないのに、シーズン終了後、何となくクリーニングに出す場合、一番の理由は汗を始めとする水溶性の汚れと匂い対策なのではないでしょうか?

これが取れていないとなると、生地がダメージを受けるリスクを背負ってまで、クリーニングに出す意味が分からなくなってしまいます。

これは一度実験しなくては・・・と思っていた矢先(といっても2年前)入手した古着のハケット。

ハケットは一部の英国トラッド好きから絶大な支持を集めながら、ライセンス契約していた大同が撤退してしまったため、日本で入手困難となってしまったブランドです。品質が高いかといえばそうでもなく、素材が贅沢かといえばさほどでもなく、一般の人が見て素敵だと言ってくれるかというと、「どうかなぁ?」という感じなのですが、単純な名前だけのライセンス契約ではなく、確固たるポリシー(昔の英国服のカッコ良さだけを追求したい)が感じられて、とても好きでした。

そのハケットの古着なのですが、よく見ると、トラウザースに水溶性の汚れが・・・

リーバイスの501とかなら、ザブザブ洗ってしまえば済む(絶対に取れるわけではない)のですが、ウールの場合は、素人の手に負えません。

そこでウェット・クリーニング(水洗い)の専門店を探し、たどり着いたのが、この「なすクリーニング」

http://www.nasucleaning.com/index.htm

なんでも、ウェディングドレスのクリーニングがお得意なのだとか。ウェディングドレスは、結婚式場に吊るされているときは、そんなに真っ白ではありません(少なくとも、私の見たときは。けらえいこの漫画でもそう書いてあった)。それを真っ白にして、あのデリケートな生地を破壊しないのですから、相当な技術を持っていそうです。

返ってきたハケットは、下だけ水洗いしたそうです。出来栄えは・・・うーん、汚れは完璧に落ちていますが、少ーしだけ、パッカリングというか、ピリというか、要するに下だけ生地が凸凹になっているようです。色も少し落ちたかもしれません。どっちも、よく比べてみなけれな分からない程度ですが、繰り返し出すと、そのうちスーツではなくなってしまうかもしれません。出すなら、上下一緒に水洗いをお願いしたほうが良さそうです。

ハケットの既製服くらいなら、汚れたらクリーニングに出す気になれますが、サヴィルロゥやクラシコ・イタリアの注文服を着ているような人たちは、クリーニングには相当頭を悩ませておられるようです。

「ブラッシングのみで、クリーニングには出さない!」という方もいますし、こうしたデリケートかつ立体的なアイロンワークを駆使した注文服に対応できる、超高級クリーニング屋さんも、都心を中心に存在してはいるようです。

レジュイール
http://www.rejouir.co.jp/

あと、運送時のプレス崩れを防ぐため、専用の箱か何かにスーツを吊るしたままで送り返してくれるお店もあるのだとか。仕立てたテーラーにクリーニングを依頼して、テーラーが再度プレスしてくれれば済むことなのですが、英国やイタリアのテーラーの場合、なかなかそれも難しいものと思われます。

プレスといえば、シャツ。真に洋服を愛する人は、シャツを自分でプレスするという話を聞くことがありますが、私はダメです。1枚30分くらい掛かってしまいます。そして、その頃には、ひっくり返し過ぎて、最初にかけたところがシワになっていたりします。これが妻の手にかかると、ものの3、4分で、それなりに仕上げてしまいます。私に足らないのは、「思い切りの良さ」なのだとか。

最近、ブルックスブラザースのBDシャツを買ったのですが、形状記憶でした。これがなかなかのもので、「致命的なシワは残らない」というレベルではなく、ピシッと袖にプレスラインが蘇ります。どういう理屈でそうなるのだろう。合理性を追求するアメリカのシャツが形状記憶を採用するのは当然として、ジャーミンストリートのシャツにも、いつか形状記憶の波が押し寄せる日が来るのでしょうか。

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コメント

コメント(12)
No title
クリーニング出さない方がいいのでしょうか。私の汗と涙を吸っているかと思うと何となくやなんですが、水溶性だし。

chargeup2003

2005/12/25 20:04 URL 編集返信
No title
涙は想定外でした。シミにはなりにくそうですけど・・。我が家では、セーター類くらいなら、エマールで洗ってしまうことが多いです。

カッタウェイ

2005/12/25 20:11 URL 編集返信
No title
ドライの洗濯液はある程度繰り返し使用されるため、新しい液と古い液では汚れ落ちが全く変わります。ウェット系の元祖、千葉のナチュラルクリーニングは水の粒子が極小だそうです。かなり落ちますが、コットンスーツを出したら張りが全く失われました。なるべく汚さず着るしかないかもしれませんね。

yoc

2005/12/25 21:04 URL 編集返信
No title
ちょっとデリケートなカーディガンをクリーニングに出したらさわり心地が全然違って・・(涙)着心地や形が変わるのは嫌・・・だけれど洗わないのは嫌・・・・だけれどダメにしたくない服って高くても欲しいと思った服であってたくさん着たい・・・うがーー!!!(ジレンマ)

そら

2005/12/25 22:04 URL 編集返信
No title
norigueiraさんもウェットクリーニングを!コットンスーツでも水洗いで質感が代わってしまうのですか。暖かい季節に着ることが多いだけに、クリーニングしないわけにはいかないし・・。ドライの洗濯液の話、納得です。運次第ということでしょうか。

カッタウェイ

2005/12/25 22:25 URL 編集返信
No title
そらさん、お気の毒に。ウールの油分がなくなってパサパサになってしまったのでしょうか。なるべく素肌に触れないように着るしかないのか・・。超高級カシミアカーディガンを着ている方たちは一体どうしているのでしょう。まさか、使い捨て・・?

カッタウェイ

2005/12/25 22:30 URL 編集返信
No title
ドライは全くの運次第です。きれいな色のニットがかえって汚れてしまったケースもありました。ウェットで張りがなくなることは良い場合もあって、アンティークのレーヨンストールはソフトになり、これは成功。レジュイールは昔からアパレル関係御用達で定評ある店ですが、なにしろ高くて、日にちもかかると聞いてます。難しいモンですね。

yoc

2005/12/25 22:34 URL 編集返信
No title
そういえば私も、ドライに出したフライトジャケットがシミだらけになって戻ってきたことがありました(文句を言ったら綺麗になって戻ってきた)。難燃性繊維だったので、素材のせいだと思ってましたが、使いまわして秘伝のタレのようになった洗濯液だったのでしょうか。「ロイヤルで!」と高級仕上げ代を払うと、一番絞りの洗濯液で洗うとか、そういうこともあるのでしょうか・・。

カッタウェイ

2005/12/25 22:46 URL 編集返信
No title
ロイヤルとかデラックスとか、紛らわしいメニューがいくつかありますよね。会社によってシステムは違うのでしょうが、どうなのかなあ。一度尋ねたら、仕上げのプレスをマシーンでなく、手でするとの答でした。徒歩7秒のお店なら黙っていてもハンドプレスでしょうね。

yoc

2005/12/26 00:49 URL 編集返信
No title
徒歩7秒のお店では、「ロイヤルとかってあります?」と聞いたところ、全て同じ品質で、そういう設定はないとのことでした。ボタンを砕く店は、シャツ1枚を一発でプレスしてしまうのでしょうか。(まさかそんな)一度見学してみたいものです。

カッタウェイ

2005/12/26 21:04 URL 編集返信
No title
いや、プレスマシーンが色々あるみたいですよ。二つ折りのトラウザースをはさんでガッシャーンとか、ジャケットをボディに着せてプッシューとか。シャツは分からないけど立体型紙、手縫いのシャツなんかはハンドプレスが無難でしょう。

yoc

2005/12/27 18:50 URL 編集返信
No title
ジャケットはボディに着せてプレス・・私のスーツは、一度ラペルまでペタンコの、ノシイカのような状態で戻ってきました。あれは一体・・そういえばダブルカフスのカフは、折り返しをプレスするところと、しないところがあります。しないのが正当というのは本当なのでしょうか。

カッタウェイ

2005/12/27 20:49 URL 編集返信
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