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やせ我慢の背中


背広はサヴィル・ロゥが語源だ,という説には異論もあるようですが,それはおいても,この訳は成功の部類に入るのではないでしょうか。

注文主の肩のラインを拾いつつ,立体的にビルドアップされた肩(フィッターの受け売り)から,高い位置で強く絞り込まれたウェスト,裾にかけて広がる美しいライン・・・

男らしさを強調した古のビスポーク・スーツの後姿が目に浮かぶようではありませんか?ありませんよね。はい,解雇主義・・もとい,(誤変換。何と恐ろしい!)懐古主義者のたわ言であります。

とはいえ

かなわぬ渡仏を夢見つつ,せめて汽車に乗って気ままな旅を楽しむ朔太郎の「新しき背広」も


盧溝橋事件のあの年,朗らかに恋を歌った「僕」の「青い背広」も


アカシアの花が散った後,あの娘の「切ない影」が残る裕ちゃんの「背広の胸」も


「スーツ」に置換するとしっくりこない気がします。

背広はなんだか,やせ我慢の象徴というか,孤独でストイックな大人の男の後ろ姿を連想させます。洋服は普通前から見た姿を思い浮かべるのに,「背」という名前が付くあたり,いずこへともなく去っていくヒーローみたいで格好いいです。

「どうせ地球は丸いんだ・・行けばどこかで会えるだろう(紅三四郎)」


シェーンだって,戻ってこないから格好いいんですよね。

8月に頼んだスリーピースを撫でくり回しながら,そんなことを考えておりました。赤い裏地は,紅三四郎へのオマージュです。
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コメント

コメント(20)
No title
この背広は素敵ですね。私もこれはタイプです。
カッタウェイ様は、萩原朔太郎がお好きなんですね。私は朔太郎の詩はちゃんと読んだことがないのですが、「猫町」他のいくつかの短編は愛読しています。夢遊的彷徨の人、のイメージでしょうか。ところで、ムットーニという“からくり人形”制作のアーティストをご存知ですか? すごい人です。カッタウェイ様もお好きになるはずの人です。私は、この人が制作したからくり人形版の「猫町」(某自治体の文学館所蔵)を熱烈に愛好したことが、オリジナルを読むきっかけとなりました。最初は「サクタロウ、なんて!」と先入観バリバリだったのに(中高の国語で紹介される文学作品は、嫌な教師のフィルターがかかってしまって、下手をすると、一生作品を遠ざける原因とすらなってしまうことがあります)。ほかに、岩波文庫版「猫町」所収の「秋と漫歩」は、自分の独身時代の境涯を代弁してくれるような他人事でない内容で、マストアイテム、です。作品世界に共感される男性諸氏も少なからずおられると思います。

アトランタ

2009/02/13 19:51 URL 編集返信
No title
萩原朔太郎,「月に吠える」くらいしか知らないのです。あと,「蝿は2回追っ払うと諦める」のに気付いて家族にふれて回り,誰にも相手にされなかったといって不平不満を書き連ねていたのも朔太郎だったような。
「猫町」は,これも何かの縁かと思いますので,近いうちにきっと読みます。

カッタウェイ

2009/02/13 20:33 URL 編集返信
No title
カットェイ様
私も「背広」っていっちゃいますね。他にもいっぱいありますよ。
パンツ、トラウザース→ズボン
ベスト、ウェストコート→チョッキ
ジャケット→上着
ニット→セーター
マフラー→襟巻き
タートル→トックリ
ブルゾン→ジャンパー
ライニング→裏地
ジップ→チャック・・・
ショップの若い店員さんに「なんだこのオヤジ」みたいな顔をされることもありますね(笑)
それにしても、写真の「上着」の「裏地」の色、素敵です私も好きです「臙脂」色。これも今風には「ボルドー」とか「バーガンディー」とかいうんでしょうけど・・・

dunsford

2009/02/14 07:48 URL 編集返信
No title
パンツがトラウザーズを指すのか,下着を指すのか,曖昧に聞こえるのは私だけでしょうか。イントネーションで使い分ける,という説もあるのですが,そんな不便な,と思います。
「トックリ」は「ハケンの品格」でも登場しましたね。ジャンパーは私も使います。ブルゾンはどうもしっくりきません。
日本語の色の表現は大事にしたいですよね。臙脂色,は中でも好きな響きです。この背広,「チョッキ」の背中は臙脂ではなく群青色にしました。

カッタウェイ

2009/02/14 09:08 URL 編集返信
No title
世代によりますが、私もパンツ→ズボン或いはスラックスでないと落ち着かない派です。トラウザーズは単語としてまだまだ馴染みが少ないし、パンツだと下着の方を連想しちゃいますよね普通。
ベストは言い慣れてきましたけれど、ウェストコートも馴染みが無いなあ。
ブルゾンとジャンパーって、私は別物だと思ってました。防寒性能の高い方がジャンパーで、生地が薄くて羽織る用途のがブルゾン又はスイングトップ、という風に。

しかしカッタウェイさんの上着、広いラペル巾と角度が急なハイゴージが迫力ありますね。(背中の話題なのに前面のディティールを取り上げて申し訳ありません。)

tas**48sy

2009/02/14 20:00 URL 編集返信
No title
こんばんは。
ファッションと関係のない話題で失礼ですが、インターネット放送(GyaO)でテレビ版のジョー2がやってますね。原作とは異なるストーリー展開、挿話が実に魅力的でした。当時(80年代前半)の現代版ジョーとして、新たに生まれ変わったようで、非常に斬新に感じましたです。
出崎統の映像センス、荒木一郎、その一派によるこだわりの音楽。たまりません。当時、サントラとか、発売されていた楽曲集、ほとんど揃えたものでしたが、今はすべて手元にありません。カッタウェイ様のようにモノを大切にすれば(というより死守すれば)よかったと悔やんでマス。

アトランタ

2009/02/15 18:42 URL 編集返信
No title
ブルゾンとジャンパー。なんとなくジャンパーの呼び名のほうが男らしい印象です。パイロット・ジャンパーなんて言い方,子供の頃はよくしていました。
ラペル幅は身長や体格に合わせて大きめにしておきます,と初めて作ったときに言われました。高いゴージラインは,フィッターさんの趣味のようであります。

カッタウェイ

2009/02/15 20:26 URL 編集返信
No title
ジョー2,未見です。そういえば週刊誌で「あしたのジョー」の復刻連載が始まったとか。時代を超えた魅力がある,というのか,時代が再び「あしたのジョー」を求めているのか・・。

カッタウェイ

2009/02/15 20:27 URL 編集返信
No title
最近読んだ本、「福沢諭吉背広のすすめ」によると
背広というものは、背中に縫い目がないものを言うのだとか。
(背中部分が広いの意、フロックコートは縫い目がある)
サヴィル・ロゥが語源と思っていたので目からうろこでした。

山田

2009/02/17 00:01 URL 編集返信
No title
こんばんは。話題が逸れて恐縮ですが、私もマジンガーZが援軍するGマジンガーのシーン、覚えていますよ。最終回だったのですね。他にも、ウルトラマンや仮面ライダー・シリーズなどヒーローもので、歴代のヒーローが共演するシーンは、子どもの心ながらに大感動、ウルウルしたものです。GマジンガーのOPテーマを見ましたが、いまだゾクゾクするというか、ワクワクさせる興奮がありますね。

アトランタ

2009/02/23 20:52 URL 編集返信
No title
アトランタさん,最終回をご覧になりましたか。仮面ライダーでも1号,2号の共演は実はあまり多くなく,それだけに子供の興奮も高まったであろうと思います。
グレートのオープニング,私もワクワクしました。本編よりも。

カッタウェイ

2009/02/23 22:15 URL 編集返信
No title
光子力研究所、ミケーネ帝国、ボスボロット、等々…。懐かしい名称の語感からは、いまだコドモ時代への郷愁をそそる力を宿している感じがいたします。プール(?)の水面が割けてマジンガーが飛び出すアイデアは、がっちり少年のハートをつかみましたよね。すごいです、永井豪の頭の中は。ところで、超合金、ミニカーなど、惜し気もなく砂や泥にまみらせ、ウーウー、ガーガーうなりながら友達と遊んだ記憶が甦りました。今の子供はどんな遊びをして楽しんでいるのでしょうか。

アトランタ

2009/02/25 20:33 URL 編集返信
No title
マジンガーZと言えば、原作の少年ジャンプ連載版は当時の雑誌にしては結構エッチなシーンもあったりしましたねえ。
少女型機械獣のガミア三姉妹との肉弾戦で、ガミアQ1が黒マントの下が真っ裸だったところか、小学生だった折に赤くなりながら読んだものです。

tas**48sy

2009/02/26 02:01 URL 編集返信
No title
原作は相当のインパクトがありました。機械獣の表面に沢山のカプセルがあって,その中に女性が閉じ込められている,という話を覚えています。さすがに,テレビ版には登場しなかったようです。

カッタウェイ

2009/02/26 22:37 URL 編集返信
No title
あれ、それデビルマンにもあったような。同じ作者だからアイデアが使いまわされているのかも知れませんが。

chargeup2003

2009/02/26 23:05 URL 編集返信
No title
デビルマンは強烈でした。昨年まで全巻持っていたのですが,既に手元になく,確認ができませんです。
ゲッターロボでもカプセルに女性が閉じ込められてましたので,作者がカプセル好きなのでありましょうか。

カッタウェイ

2009/02/26 23:11 URL 編集返信
No title
デビルマンのアレは、妖獣ジンメン編でしたか。
原作版ゲッターは連載初期の、イモリの群れに研究所員が意識をのっとられるくだりは、当時にしてはエグかったかなあ。
あとメンバーが揃わない状態のゲッター1が上半身だけで出撃するシーンが印象に残ってますね。

tas**48sy

2009/02/27 22:57 URL 編集返信
No title
ゲッターのその話,思い出せないです。ゲッター2がカプセルに閉じ込められた人たちを目の当たりにして退却すると見せかけ,振り向きざまにドリルを発射するようなシーンは克明に覚えているのですが。
あと,武蔵の最後も。

カッタウェイ

2009/02/28 00:22 URL 編集返信
No title
今日ユーチューブで普通のゲッターロボのオープニングを見ようとして、新ゲッターロボだか真ゲッターロボのオープニングを見てしまいました。絵がデビルマンのようで、怖そうでした。

chargeup2003

2009/03/11 22:04 URL 編集返信
No title
ゲッターはオープニングもエンディングも名曲ですよね。私が知っているのはゲッターロボGまでで,新とか真とかはよく知りません。まるでジェイソンか「悪魔の住む家」のようです。やはり一作目が一番出来がよいのでしょうか。

カッタウェイ

2009/03/11 23:07 URL 編集返信
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