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「青い炎のファラオ」10月~11月掲載分

エジプト行きをひかえたイブリンは,ロビンの屋敷を訪ねていた。イブリンはロビンに,アヌビスに連れ去られた夜の恐ろしい経験を話す。死者の中にロビンの兄,ジョナサンの姿を認めたことも。

ロビンは,行方不明となったジョナサンが残したノートに,「死者はよみがえる。青い炎のファラオ」と書かれていたことをイブリンに示し,兄ジョナサンの存命とイブリンの不思議な体験が真実であったことを確信するのだった。

ロビンは,イブリンが恐ろしい力を持つ何者かに狙われていることを告げ,兄を探すため,そしてイブリンを守るためにエジプトへ同行することを決心する。

さらに,ジョナサンのノートには,「死の使いアヌビスに注意せよ」と書かれていた。ロビンは怯えるイブリンを抱きしめ,イブリンを必ず守ると約束するのだった。

扉の隙間から,その様子を見つめていたローズは,激しい嫉妬にかられる。帰宅したローズは,両親にエジプト行きをねだるが相手にされない。「エジプトへ行かせて」と神に祈るローズの目の前に,急に風に煽られ,先日訪問したエジプト展のパンフレットが翳された。

あろうことか,ローズはアヌビスに「私をエジプトへ行かせて。望みをかなえてくれたら何でも言うことを聞きます。」と誓いを立てる。灯りを消して眠りに就くローズの窓の外に,白い影がたなびく。

あくる日,ローズ宛てに雑誌社から書留小包が届く。特別賞に入賞したというローズに,エジプトの旅への招待として現金が送られてきたのだ。

喜ぶローズ。だが,母親もローズ本人も,いつそのような懸賞に応募したかが思い出せない。

カイロへ出発する飛行機に搭乗するロビンとイブリンは,飛行機の入り口で手をふるローズに気付く。ローズは言う。「がっかりしてイブリン。私もいっしょにエジプトへ行くことにしたの」と。

カイロ郊外に居を構えたイブリン一家は,一転して静かな日々を送っていた。イブリンはロビンから離れないローズに嫉妬を覚えるようになっていた。

ある日,ローズを連れてイブリン邸を訪ねてきたロビンは,「今夜,王家の谷へ入る。」と告げる。観光客と一緒に行動することを条件にローズも同行させるというロビンに,イブリンは叫ぶ。

「王家の谷には近づかないで。きっと恐ろしいことが・・。」

脳震盪を起こして倒れこむイブリン。目が覚めたときは,ロビンは既に王家の谷へ向かい出発した後であった。ベッドで泣きじゃくるイブリン。

その夜,イブリンの元へ,悲報を届けに謎の男が現れる。男は言う。「王家の谷で事故が起こり,バスの乗員が30名も死んだ。ロビンさんも大怪我を」

家族に知らせようとするイブリンの手を男の冷たい手が制止する。男はイブリンを連れて,夜の闇を舞い上がり,王家の谷へといざなうのだった。(以上10月号掲載分)


男と王家の谷へ走るイブリンは,途中でイブリンの父マイケルに偶然出会う。

「ロビンは確か調査班とジープで出かけたはず」といぶかしがるマイケル。「お前は誰なんだ」マイケルが謎の男に追いすがると,白骨化した男が振り返り,告げる。これは「青い炎の呪い」であると。

家に帰り,王家の谷の事故について,電話で確認するマイケル。王家の谷で発生したバス事故は真実だった。死亡者の中に,11歳の少女,ローズ・ウィッグの名前を確認した一家はがっくりと肩を落とす。現場へと向うマイケル。

悲嘆にくれるイブリンとアン。そこへロビンからの電話が入る。ロビンの無事に安堵する二人。ロビンは事故のことを知らなかったという。

そのとき,アンは庭で物音がしたことに気付く。庭でうずくまる人影を誰何するアン。

人影の正体は,死んだはずのローズだった。アンとイブリンは大喜びでローズを寝室へ招き入れる。ベッドに寝かせたローズの左手が血に染まっているのに気付き,怯えるイブリン。

「どこか怪我を?」と狼狽するイブリンに,ローズは「何でもないわよ」と答え,布団を顔までズリ上げる。ローズを寝かしつけた寝室から出たイブリンは,手を洗い自室へ戻るが,そのベッドには,いつの間にかローズが腰掛けていた。

「私は急いでいる。もうすぐ帰らなければいけない。」右手で首を押さえながら,うつむき加減にローズが言葉を続ける。「明日は市内見物をしたい。イブリン,一緒に行ってくれる?」

真っ青な顔色をしたローズの体調を案じるイブリンの言葉も聞かず,約束を取り付けるローズ。立ち去ろうとするローズを,イブリンは入浴に誘うが,ローズは拒絶し,立ち去ってしまう。「なんだか違う人のよう」といぶかしがるイブリン。

翌朝,アンのもとへマイケルから電話が入る。「ローズが帰ってきたのよ」笑顔で告げるアン。だが,マイケルは「ローズは死んでいる。それも即死」と告げる。

「じゃあ,ゆうべ帰ったローズはだれなの?」恐怖におののきながら,二階にあるイブリンの部屋へ向うアン。部屋には誰もおらず,ローズの部屋も,既にもぬけの殻となっていた。

生臭い匂いに気付くアン。ローズのベッドからは血がしたたっていた。

一方,イブリンはローズが運転するオープンカーで市内を疾走していた。猛スピードで車を走らせるローズ。「そっちは王家の谷よ」と狼狽するイブリン。

「王家の谷はイブリンを呼んでいる。もう逃げられはしない。」笑い出すローズ。その首もとのスカーフが,風に煽られてスルスルと外れていった。ローズの首には深い切り傷があり,切断される寸前だったのだ。

悲鳴をあげるイブリン。ローズの首がポロリと転がり落ちる。だが,首なしローズは王家の谷へ車を走らせる。イブリンを乗せ,猛スピードで走る車の前に,やがて王家の谷が見えてきたのだった。
(以上11月号掲載分)

**************感想******************

ちゅうねんになって読み返してみても,ところどころ怖いです。幼少期の自分には耐え難い恐怖でした。11歳でオープンカーを疾走させるとは,花形君並みのスーパーテクニックです。そういえば,マッハ号の運転手の剛君は,見た目は小学生ですが,レーサーということで,18歳以上なのでしょうか。
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コメント

コメント(9)
No title
わたなべまさこの絵は怖いです。この内容なら登場人物の年齢を加算すればレディコミ(怖い童話とかそういうの)でもいけそうです。
マッハゴーゴーの件では、親に聞いたら、レーサーは公道を走らないので大丈夫なのだと答えていたのですが本当でしょうか。

chargeup2003

2009/09/08 23:47 URL 編集返信
No title
実は,この作品を再読するため探しまくっていたときに,「とりあえず,わたなべまさこの作品を読んでみよう,どんな絵だったか思い出すかもしれない。」とそちら系の分厚い雑誌を買ってみた(何をしているのだ)のですが,この作品のほうが怖いくらいだと思います。
マッハ号は,何話だったか,ガールフレンドを乗せて公道を走っておりましたです。「剛,マッハ号は快適ね」なんて言ってましたが,ナンバープレートは取得しているのでしょうか???

カッタウェイ

2009/09/08 23:52 URL 編集返信
No title
カッタウェイさんのあらすじ読んでても怖いです(笑)
ところどころうっすらと場面が浮かんできたりします~

でも上の茶味子さんへのカッタウェイさんのコメント、
>(なにをしているのだ) に大ウケして怖さも帳消しです(笑)

冬生

2009/09/09 01:04 URL 編集返信
No title
冬生さん,実はあらすじを書いている自分が怖がっていたりしております。再読を望むあまり,そちら系の雑誌を自分でレジへ持っていった10年前の自分も怖いです。何かに取り付かれていたとしか。何の雑誌か覚えていませんが,「生徒諸君!」の教師編が掲載されていたのを思い出しました。

カッタウェイ

2009/09/10 01:14 URL 編集返信
No title
カッタウェイさん。
青い炎のファラオ、題名探していました。
ありがとうございます。
当時、怖くて途中で読むのをやめてしまったと思います。ただ、ラストだけはなぜか読んだ記憶があります。
ショッキングなラストでした。
是非、続きのあらすじを掲載していただけないでしょうか。
画像もアップしてもらえるとありがたいのですが。

river

2015/04/28 01:32 URL 編集返信
No title
riverさま、「青い炎のファラオ」は今でも気になっている方が少なからずいらっしゃるようですね。
あらすじの件、放置したままになっていました。
一度読み直して、また書いてみたいと思います。
画像は検索するといくつか出てくるようです・・。

カッタウェイ

2015/04/29 15:29 URL 編集返信
No title
わたなべまさこさんのこのお話はとても好きでした!
すごく怖かったけど、何か惹かれるものがありました!
是非画像や全文を載せて頂けたらすごく嬉しいです。単行本を出して欲しいと願っていましたが出版されてないのですねT_T
よろしくお願いします。

おじゃこ

2017/12/16 22:22 URL 編集返信
No title
> おじゃこさん
コメントありがとうございます。かなりのインパクトを与えた作品のようで、単行本を希望している方が少なからずいらっしゃるようです。

私の資料は国会図書館から取り寄せたコピーでして、色々な許諾条件がついていましたので画像のアップはできないのですが、国会図書館に申し込めば今でも写しを取り寄せることができるのではないかと思います。

カッタウェイ

2017/12/17 12:34 URL 編集返信
No title
> おじゃこさん
画像は掲載できないのですが、このあらすじ記事はこの後に続編を載せて完結させておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

カッタウェイ

2017/12/17 12:49 URL 編集返信
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