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サファリジャケットと「コーディネート地獄」

私はお洒落のセンスなどとは無縁の,ただの洋服マニアだと自覚することが多々あります。

センスとは,例えば素材や色やデザインや洋服の背景となるメッセージなどを,うまく組み合わせて全体のバランスを構築することです。

私にはそれらを一から考えることなどとてもできませんので,紳士服の歴史の中で先人が確立したルールやアーカイブの中から,好みのものを真似て着ているだけ,というのが実情です。そして,私の好きな英国調のトラッドファッションについては,それで十分だと思って自分なりに楽しんでいるのですが・・。

たまに,自分の守備範囲や持っている服と関係なく,単にその服単体がカッコいいから欲しくなってしまい,後先考えずに買ってしまうことがあります。

えてして,こういうアイテムというのは,買ったまではいいものの,合わせるシャツやら靴やらボトムやらが手持ちになく,さんざん頭を悩ませた挙句,色々買い足してはみるものの,もともとの構想がないだけに,大抵はあまりうまくまとまらない,という結果に終わるケースが多いようです。

漫画家のけらえいこさんは,これに似た経験を「コーディネート地獄」と名付けておられました。

新しいアイテムがどうしても自分に似合わず,合わせる服やら小物やらをどんどん買い足していくのですが,そのたびにいっそう似合わなさが顕著になり,その原因もよく分からず,ついには「自分が太っているから?」などドツボにはまっていく姿は,とても他人事とは思えません。

服はそれ単体で着るものではないので,購入には自分を客観視できる力と計画性が必要だということでしょう・・。

しかしながら,服人生には(あるいは現実の人生でも)時としてこうした計画性や理屈が吹っ飛んでしまうほど,強烈に惹きつけられてしまう一目惚れというものが存在します。

好きになるというのは,理屈や損得ではないのだと気付かされる瞬間。これを醍醐味と捉えるか,魔がさしたと捉えるかは,その人次第・・。

今,私が苦悩しているのは,W&G社のサファリジャケットです。W&G社といえば,革製フライトジャケットが有名です(でした?)が,サファリジャケットがまた,カッコいいのです。

私がこれを初めて見たのは,確か80年代後半の雑誌「コンバット・マガジン」のW&G特集。これを読んで私は,同社がフライトジャケットだけでなく,灼熱の地で着用するアウトドアウェア(というのか冒険着)も製作していることを知り,大いに魅了されたのでありました。

サファリジャケットは,最近,あちこちのテーラーでオーダー対象として提案がされているのを見かけます。どれも魅力的ですし,ジャストフィットで仕上がるでしょうし,街着としてはあまり冒険着臭くないほうが着やすいとは思うのですが,残念ながら画像を見る限りでは,W&Gのサファリジャケットが醸し出すあの迫力が感じられないため,これらに一目惚れすることはありませんでした。

げに厄介なるは一目惚れアイテム。やはり私の場合,サファリジャケットを買うならW&Gでなければならないようです。でも,念願かなって入手できたとしても,一体手持ちのアイテムとどうやって折り合いをつければ良いのでしょう。

ボトムは・・サファリクロスの迫力に負けない素材で,色の合わせも悪くないもの・・何があるだろう?思い浮かびません。ここが悲しいかな,私がいわゆるお洒落な人間ではなく,ただの洋服マニアであるゆえの限界なのです。

英国のアイテムより,アメリカのアイテムのほうが相性がいいよなぁ・・。となるとやはりジーンズ?ヴィンテージの501XXではどうだろう。

そうすると靴は?アメリカンな靴?コードバンじゃ暑苦しい感じがするし,ダービー・フルブローグでも違うし,スエード(本当は夏向けの素材と聞いたことがあるけれど)も違和感があるような気がするし・・。

これがサファリジャケットでなく,アイリッシュリネンのバイスイング・ジャケットだったら,コレスポンデント・シューズでも合うんだろうになぁ・・(苦手分野からの逃避)。

自力で考えられないときは銀幕のスターの着こなしを参考にする(真似し過ぎると,似ていないのは顔と体型だけということが浮き彫りになって危険)という手があります。

サファリジャケットの映画といえば「モガンボ」が有名だそうですが,私の世代,何と言っても「カイロの紫のバラ」が真っ先に頭に浮かびます。

学生時代,名古屋の50人劇場に一人で見に行き,ミア・ファーローのつかの間の夢に大いに感情移入したものです。同じ画面から出てくるでも,貞子とは大変な違いです。

トム・バクスターのサファリジャケット姿は,この上なく決まっていましたが,サファリハット?まで被ったフル装備なので,私には真似できません。少なくとも,この国が温暖湿潤気候である限りは。
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コメント

コメント(2)
No title
こんにちは。ミア・ファーローの映画をご存知なのですね。感激です。私もたまたまつい最近「フォロー・ミー!」をDVDで観賞する機会があったのですが、観終わって何ともいえぬ余韻が残る稀な小品と感じました。ずれてたらごめんなさい。とにかく素晴らしい作品です。

風来坊

2010/03/04 18:53 URL 編集返信
No title
ミア・ファーローはこの映画と「ローズマリーの赤ちゃん」くらいしか観ておりませんが,どちらもインパクトがありました。
「フォロー・ミー」は未見です。余韻にひたれるような映画なら是非とも観てみなければ。

カッタウェイ

2010/03/04 20:05 URL 編集返信
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