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1905年、ジャーミン通りでの秘め事/ストウアウェイにハイバックのトラウザーズ

図書館で借りた中野香織さんの「モードの方程式(新潮社)」に、とても興味深いお話がいくつも紹介されていました。
 
例えば、ピンクが女の子の色、ブルーは男の子の色、という慣習が定着したのは意外と最近で、1950年代の頃であり、それ以前はピンクは激しい色で血の色でもある赤が薄められた色であるゆえ、男の子にふさわしい色とみなされていたというお話。
 
それから、どくろアクセサリーは悪趣味とも思えるが、きちんと道徳的な意味もあり、「メメント・モリ(汝、死を忘れるなかれという警告)」だったというお話。
 
トロンプ・ルイユというだまし絵を使ったファッションの関連で、第二次大戦におけるナチス占領下のフランスで、女性たちが物不足に苦しんでいる姿を見せまいと、素足に墨で縫い目を描き、ストッキングを履いているように見せて「抵抗」したというお話。
 
そして極め付けだったのが、「ブリーフかトランクスか」の章で、両方の機能を兼備した補正具付きのトランクス・・・の先駆者として紹介されていた、あのジャーミン・ストリートのシャツメーカー、T.M.LEWINの「ストウアウェイ」なる保護具の紹介です。
 
これは著者である中野さんが、1905年LEWINのカタログで発見された・・とのことなのですが、実はこのカタログのコピーであれば、2004年にLEWINが世界中の顧客に配っており、私の手元にもブツが残っています。
 

 
余談ですが、このカタログの現物は、なんでも20年前(2004年時点で)にごみ箱で発見されたものだそうです。際どいところで歴史的資料が守られたことに感謝しなければなりません。断捨離する際にはご注意を・・。
 
さて、中野さんの著書では「ストウアウェイ」のイラストが紹介されていないのですが、実際のカタログを見ると、それもむべなるかな、と思うようなかなりのキワモノです。ブログごと削除されてしまいそうなので、ここでも掲載することはできそうにありません。
 
代わりに、「トラベラー」なるトラウザーズ運搬用の器具をご紹介します。いえ、「トラベラー」そのものはトラウザーズにしわをつけず、クリースを消さずに運搬することができる大仰な器具のようで、ほとんど興味はないのですが、そこで巻かれているトラウザーズが興味深いのです。
 

 
全て外付けのサスペンダー・・もとい、LEWINのカタログにならって、ブレイシーズのボタン。ボタンの間隔の広さ。大きくせり上がったハイバック。モーニングカットの裾。切り返しのないウエスト部分。そして、ハイバックの中心部に取り付けられた尾錠。金具は二本針であることが見て取れます。
 
見惚れてしまうような美しいトラウザーズですが、この下に「ストウアウェイ」を装着していたのかもしれないと考えると、少々鼻白むのです。やはり、過去を美化しすぎてはいけないようです。
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コメント

コメント(2)
No title
興味深い資料ですね。そういう危ない資料になぜか惹かれてしまうのが男の性というべきでしょうか。

しかし、この装置はなんともいいがたいですね。逆に癖がつきそうです(目付のある生地でしょうし。)。やはりズボンプレッサーを発明した人は偉大ですね。

おとぼけ課長

2012/12/31 19:11 URL 編集返信
No title
画像をお見せできないのが残念なくらい面白い商品でした。ズボンプレッサー、私は一度も使ったことがないのです。失敗して再起不能なシワを入れてしまわないか心配で・・。

カッタウェイ

2012/12/31 21:55 URL 編集返信
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