FC2ブログ

1999年、靴ブームを牽引した雑誌について

1999年。
 
Y2K問題だとか中日ドラゴンズの開幕11連勝だとか、いろいろなことがありました。私は転勤を命じられ、慣れない職場で四苦八苦・・・。
 
そんな最中に購入したらしい(発行日を見ると)のが、この雑誌BRUTUSの4/15発売号です。
 

 
表紙がとても印象的でした。左にゴロンとしたイタリア靴のマッツァ。右にエドワード・グリーンのチェルシー。
 
そして
 
「この違いが分かりますか?」
 
色が違う・・羽根の付け方が違う・・そういうことではなく?
 
24-25ページは見開きになっていて、左に全身プラダのモデルさん、右にサルトリオのライトグレーのスーツを着てエドワード・グリーンの黒いドーヴァーを履いたモデルさんが配置されています。そこには「モードとクラシック、この違いが分かりますか?」と書かれています。
 
ダブルソールのUチップをスーツに合わせるのがクラシックかどうか私には判断がつきませんが、そんなことはどうでもよかったというか、私はこのドーヴァーの美しいシェイプと完成されたデザインにすっかり魅せられてしまったのでした。
 
そして次のページ。またも見開きになっていて、左にやはりドーヴァー(ただし茶のグレインド・レザー)、右にはロブパリのダービー(アルディラ)が紹介されています。
 
今にして思うと、ドーヴァーは32ラスト、ダービーは8695ラストだと思いますが、当時はそんなことはさっぱり分からず、ただただその完成されたデザインに魅せられるばかりでした。
 
価格はどちらも9万円台。私はドーヴァーはロイドで購入し、ダービーはオークションで格安で入手したのでそんなに支払っておりませんが、今思うと随分無理をして(釣竿を売り払った)両者を手に入れたものでした。
 
そして今、ドーヴァーはクラックだらけになって補修(を依頼する気になるのを)待ち、ダービーはまだソールが固いという対照的な状況ですが、どちらも手放せない、大切な靴であることには変わりがありません。
 
さて、31ページ。松本シューシャインの紹介(残念ながら私は行ったことありません)。
 
32ページにチャーチのマスタークラス。
 
33ページにロッドソン。
 
35ページにはジョージ・クレバリーのビスポーク受注会(当時クレバリーに居たポール・デイヴィス氏の写真あり)とポール・ハーデン。
 
44ページは仏・米・伊のローファー紹介。仏・米はお約束の2社で、伊代表はマンテラッシ。
 
49ページにはフローシャイムのコードバン製コブラバンプ。
 
59ページにはロブパリのヴィンテージ99。
 
74ページから77ページは座談会。メンクラのムック本にあったようなOL座談会ではなく、中川さん(ユニオンワークス)、山田五郎さん、遠山周平さんの3者によるものです。
 
この座談会、かなりインパクトがあったようで、あちこちで引き合いに出されているのを見かけました。
 
もちろん、私もインパクトを受けた一人でして、特に印象に残っているのは以下のあたりです。
 
1)ただでさえ高いと思っていたエドワード・グリーンのハイエンドモデル、トップドロワーの紹介。
そして125,000円という超絶価格(高くて驚いたという意味です・・今となっては注釈が必要かも・・)。
 
2)初めて目にしたシュナイダーブーツ。今となっては「あのとき買っておけばよかった」靴の筆頭です。
 
3)昔のエドワード・グリーンへの賛辞。
「簡単な見分け方って何だろう??」としばらく気になって仕方ありませんでした。
 
4)トリッカーズとクロケット&ジョーンズの比較。私はどちらかといえばクロケット擁護隊寄りです。
 
5)ベルルッティ日本上陸の噂・・。
2001年にアレッサンドロ・ノルベを試着させていただいたときのフィッターさんの素晴らしさは忘れられません。
いつか買えばいいやと思っていたら、先日名古屋店の人に「だいぶ前に廃盤になりました」と聞かされて驚きました。
 
座談会については以上です。
 
84-85ページは松任谷正隆さんの靴談義。ウエストンのゴルフとオールデンのモディファイドラスト(ジャコブソンモデルという紹介の仕方でしたが)を絶賛しておられました。
 
松任谷さんのモディファイドラストへの賛辞は他紙でも読んだことがあるのですが、そこには「歩くだけならエアマックスより楽」とまで書かれていました。
 
一応、どちらも履き込んだことがある私の意見としては、「履いた瞬間はエアマックスのほうが楽」で「履いたまま一定時間を超えると、オールデンのほうが楽になり、二度と逆転しない」です。
 
この号の靴関連の記事はこれでお終いでした。
 
こうして振り返ってみると、自分がこの後購入した靴や惚れ込んだ靴の大半はここで紹介されています。
 
私にとっての靴ブームは、この号が発売される少し前にインターネットのBBSを閲覧したことから始まっているのですが、どうやらこの号による影響も相当強かったようです。
 
靴の紹介の仕方もさりげないというか、ギラついたところがなかったので、何度も気分良く読み返すことができたのだと思います。この号を大切に取ってある方、私以外にもかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
 
この号の10年前に発売されたBRUTUS(「靴だけは英国製に限る、という人が多い」)は、私にとって半ば伝説的な号(現物を手に取って読んだことはないけれど)なのですが、この号もいつか(あるいは既に)そうした域に達するのでしょうか?
 
この号のように、流行が移ろっても、取扱店やブランドがなくなっても、ずっと手元に残しておきたくなる雑誌がどんどん発行されることを願ってやみません。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメント(2)
No title
もちろん!僕もこの号を買い、今でも大切に保存しております(笑)。大学3年生だった当時、朝、アルバイトに行く前に立ち寄ったコンビニにて、この号を手に取り、その充実した内容に即購入を決めたのを、今でもよく覚えております。その頃の僕は、自分にとって初高級靴となったオールデンを買ったばかりで、高級靴情報に飢えておりました(笑)。この雑誌で知った事はたくさんあり、松本シューシャインにも行きまして、濡らした布から雫を飛ばし、水を付ける方法に、「このルーツはスペックシャイン?(飛ぶ雫が、唾吐きと似ている)」とか思ったりしたものです(笑)。ベルルッティを初めて知ったのもこの雑誌で、その妖艶な革の質感に、いつか絶対買うんだ!と思いました。アレッサンドロ・ノルヴェの廃盤、知りませんでした。好みのデザインではないのですが、ベルルッティ上陸時、一番代表的に掲載されていただけに、寂しく感じます。

dai*uk*_yam**ita

2013/04/11 10:32 URL 編集返信
No title
山下さん、当時はこれだけの情報がつまった雑誌は貴重でしたよね。松本シューシャインを経験されたのは羨ましいです。ビスポークシューズのこと、この雑誌が出る前の年くらいにテレビでジョンロブの(今思うとパリのほうのビスポーク。トライアルシューズがあったので)ビスポークの番組があり、価格が確か45万円くらいと知り物凄く驚いた(高くてです・・これも解説が必要ですね)覚えがありまして、BBSでビスポークシューズは既成靴とは素材や製法が異なることを知り、この雑誌でクレバリーの写真と解説を見て、ようやく価格差の原因が理解できたのでした。仮縫い中のセミブローグと「皮手袋のような」というフレーズを見て、大いに憧れたものです。
それにしても懐かしいです。この頃のこと、書きだすと止まりませんし、同じ情報源に接してた山下さんとお話するのは本当に楽しいです。

カッタウェイ

2013/04/11 23:03 URL 編集返信
コメント投稿
非公開コメント

カテゴリ

検索フォーム

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

月別アーカイブ

ジャンルランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
195位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
服飾
3位
サブジャンルランキングを見る>>