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失われたチェコスロバキアの秘宝「STARバックル」を探して

例えば、自動車のドアを閉める音、ラチェットハンドルを送るときのラチェット音、リールのクラッチを入れるときの音、等々、道具としての性能には全く寄与しないけれど、オーナーにひっそりとした満足感を与える音というものが、優れた金属製品には存在するように思います。
 
そして、これらの金属が奏でる音は、時代の移り変わりとともに変質し、忘れさられていまったものも少なくないに違いありません。
 
今回取り上げるのは、旧車でも釣り具でもなく、チェコスロバキアあるいはチェコ共和国で作られた洋服用の金具「STARバックル(勝手にそう呼んでいる)」です。地味かつ殆んどの方には関心のない部品かと思いますが、私にとってはチェコスロバキアの3大金属製品です(あとはCZ75と38t)。
 
これがSTARバックル(旧)です。

 
実際に使用するとこうなります。
 

 
 Starの文字は生地で隠れ、Czechoslovakia の文字だけが見えるようになるのです。
 
 
さて、現行品(新型)はこちらです。
 

 
あまり変わり映えしないようですが・・。どことなく安っぽいような印象を受けます。
 
実際に着用するとこんな印象です。

 
なんだか、シャンとしないのです。アジャスターが引っ張られてテンションがかかっている間はいいのですが、テンションが緩むと一気に留め具がリリースされ、カチャカチャと音を立てます。
 
旧型のSTARバックルは、テンションが外れても節度を保ってあまりカチャカチャしないのですが・・。
 
あとは音です。留め具が本体にぶつかったときのキンキンという音が、なんとなく重みを失ったような気がするのです。もっとも、これは個人の感覚的なものですから、気のせいかもしれません。
 
 
新旧のSTARバックルに、根本的な違いはあるのか?
 
 
なんとなく両者を比べたくなって、並べてみたところ、今さらながら大きな違いの存在に気が付いたのです。
 

 
上段が新型、下段が旧型です。刻印の有無以外に、違いがお分かりになった方はいらっしゃいますか?
 
 
最大の相違点はここです。留め具の作りが違います。赤丸部分に注目ください。
 
 
まず旧型はこちら。
 

 
続いて新型はこちら

 
新型の留め具の角がたわんでいるのに対し、旧型は全く面一でたわみが見られません。
 
つまり、旧型はもともとこの形になるように鋳造して作られているのに対し、新型は後からプレートを曲げてこの形にしているのではないか、と思われるのです。
 
新型のSTARバックルをよく見ると、中には曲げがうまくいかず、表と裏で留め具の大きさが違い、今にも外れてしまいそうなものもあります。
 
音の違いの原因は、このあたりにあるのでしょう。
 
そして外れやすさ・カチャカチャ音の違いの原因も判明しました。
 
これが旧型です。よく見ると留め具がフレア状になっています。
 

 
そして新型。留め具はどれもパラレルに作られています。カチャカチャしないわけがありません。
 

 
チェコスロバキアの拳銃について、どなたかが80年代後半にこんなことを書かれていました。
「昔のCZ75は本当によかった。でもチェコスロバキアは共産国だからモチベーションが保てず、だんだん質が落ちていった。」
 
そうすると、この旧STARバックルは、古き良き時代のチェコスロバキアの遺物ということでしょうか。
 
新型がどこで作られているのは分かりませんが、チェコ共和国だとすれば、共産主義でなくとも品質を保つことは容易ではない、ということなのでしょう。
 
調べてみたところ、新旧STARバックルの間に、Czech Republicの刻印があるチェコ共和国時代になってから作られた旧STARバックルがあるようです。入手できたら、これも含めて比較をしてみたいと思っています。
 
 
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